ギーの使い方いろいろ

ギーは食品ですが、食べる為だけではなく他にもさまざまな使い方があります。

「ギーを買ったはいいけど使い方がわからない」では勿体ないので、基本的なお料理での使い方やその他の使い方をご紹介します。

【お料理編】
・普段のお料理では普段の炒め物やホワイトソースやシチューなどの最後の風味づけとしてギーを少々いれるとコクがアップします。

・インド料理の場合はおたまにクミンやマスタードシード、鷹の爪などと共に大さじ1程度のギーを入れてスパイス類がパチパチしてくるまで火を通し、カレー料理の仕上げとして器に盛り付けた後にかけると香りがアップして消化も促します。

・トーストに塗る事もお勧めです。バターからギーに変更するのも良いですね。

【セルフケア編】
・眠れない時に、少量のギーを薬指に取り眉間にある「第三の眼」の辺りを中心に額を優しくマッサージすると眠りやすくなります。また、カップ1杯のホットミルクに小さじ1杯程度のギーとターメリックパウダー少々を入れて飲む事でも眠りやすくなります。

・スキンケア剤として夜、乾燥がひどい所に薄く塗ります。翌朝良く洗い流します。

・火傷をした際に患部に少量塗るのも良いです。ギーには冷やす性質があるため患部の治りが早くなります。ターメリックパウダーを一つまみ混ぜて塗ると良いです。

・疲れ目やドライアイにもギーはお勧めです。ほんの少量小指の先に付けて目じりの辺りにチョンチョンと塗るだけでOK。疲れ目が酷い時は涙が出る事もあるかも知れません。そのまま外出すると日焼けをしてしまう恐れがあるので、きちんと拭き取るか洗顔をする事をお勧めします。

・便秘の時には寝る前にギーを大さじ1杯ほど飲んでから寝る事を数日続けてみてください。慣れないと飲み難さを感じるかもしれません。小さじ1杯から始めて、徐々に量を増やしてみる事もお勧めです。ちなみにインドのアーユルヴェーダ病院では温めた薬草の入ったギーを数日間飲み、体内の老廃物を排出しやすくするための前治療がありますが、最初は50cc程度から始めて最終的には180~200cc飲みます。そして最後に下剤で排出させて体内の浄化が完了です。(この浄化法のやり方は医療施設での方法になるため、真似はしないで下さい。ギーを飲むだけではなく他の治療との併用で老廃物を体外に排出しやすくしています)

その他にインドでは、最近日本でも人気のあるインド料理のビリヤニやお菓子作りにもギーをよく使います。ギーや穀類の粉を混ぜた団子状の物や、ういろうに似たお菓子もあります。食べる以外では意外な所ではバターランプとしてお寺でも使用されています。

*アーユルヴェーダの観点から見たギーの効能

ギーはあらゆる体組織の生命力を高めます。消化力と体内の酵素を増やしたり、胃腸にある消化の火の働きを促しますが、ピッタを悪化させる事無くその力を強めます。また、肝臓に負担をかける事無く肝臓にある食物を栄養に変える働きを司る火の働きも強化させます。他には脳に栄養を与えます。生命力を高め心にも栄養を与えて知性と感覚の働きも促す働きもある事から若返りの強壮剤としても使われます。

ギーと調合されるアーユルヴェーダハーブ(苦味のハーブ):アーマラキー、アシュワガンダ、ブリンガラージ、菖蒲、にんにく、ツボクサ、ジャスミン、甘草、ザクロ、シャタバリ、トリファラ

ギーの効能

アーユルヴェーダの観点から見たギーの効能を見てみましょう。

ギーに含まれる成分にはオレイン酸、リノール酸、などの不飽和の必須脂肪酸やβカロチンも含まれているので油脂類の中でも最も優れたものとアーユルヴェーダでは言っています。その他ギーは長寿、様々な病気から身体を守り、消化を促進させて消化吸収を良くさせる働きがあると考えています。

身体を造る身体構成要素に栄養を与え、記憶力を改善し、脳や神経系を強化させ、身体に柔軟性を与えます。コレステロールを増大させないので高脂血症の方にも向いているオイルと言えます。

また、ギーはアーユルヴェーダの治療でも幅広く使われています。アレルギー、皮膚や呼吸器系、消化器系の疾患などに薬草とギーを調剤した物を使います。ギーには薬草の成分を身体の組織の深部まで届ける力があると考えられているからです。

私がインドで体験したギー治療の一部をご紹介します。

消化力を整える、体内を油で満たして中の老廃物を胃や腸に集めて排出させやすくする目的で、薬草と混ぜたものを飲む治療をしました。最初は50cc程度から始まり、摂取量は日々増え、最終的に200㏄弱に。朝起きぬけに油を飲むので結構大変。ちゃんと飲み干すまで見張りが付きます。仕上げに下剤を飲んで排出したらギーの治療は終了です。この治療を受けてからは消化が規則的になり、間食を殆どしなくなりました(くれぐれも自己流では行わないようにしてください)。

アーユルヴェーダの古典書には1000通りのギーの使い方あるそうですよ!

わたし達が日常でギーを薬として使う場合には薬草を使った調剤を作る事は出来ないので、ギー単体でも十分に活用できる方法をいくつかご紹介します。(食用意外にご使用の際には自己責任でお願いいたします)

・皮膚の乾燥に・・・乾燥が気になる部分に薄く塗る(日光に当たるとシミの原因になる場合もありますので夜がお勧めです)。

・疲れ目やドライアイに・・・TVや雑誌などで目をオイルに浸すのを見た事のある方もいると思いますが、この方法は危険を伴いますので専門機関で体験される事をお勧めします。ご家庭では少量のギーを清潔な小指につけて目じりに塗るだけで充分です。疲れ目やドライアイが軽減されます。

・花粉症等アレルギー、鼻の乾燥の軽減に・・・清潔な小指にギーをつけて鼻腔に塗ります。

・不眠に・・・額の眉間の上あたりにギーを優しく塗ります。落ち着きを与えます。

・寝る前の空腹や寝つきが良くない時に・・・カップ1杯のホットミルクにギーをティースプーン1~2杯程度を垂らしたものを飲むと空腹が抑えられ、心も落ち着き眠りやすくなります。便秘の方にもおすすめです。

※牛乳アレルギーのある方はギーに微量に含まれるたんぱく質がアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。

 

ギーとは

ギーとは

ギー(Ghee)とは

ギーとは精製されたバターオイルの事で、この数年ハリウッドセレブが美容と健康のために取り入れている事で急激に認知度が上がり人気の出来たインド発祥のオイル。

バターから不純物を取り除いたある意味純粋なオイルであるため、動物性のオイルながらも燃やした際の燃焼率は大変高く、健康的なイメージのオリーブオイルやココナッツオイルなどの植物性オイルよりも青く美しい炎でほぼ完全燃焼するという実験結果もあります。そのため体内に不純物を残さず燃焼するので身体に良いとされているのです。

動物性ながら他の幾つかの油のようにコレステロール値を上げるという事もありません。

ギーは少量でも香りと風味をアップさせるために使われる事が多いですが(インド料理店ではカレーの仕上げや焼きあがったナンや他のブレッド類には必ずかけています)、消化を促すためという健康にとって最も大切な意味合いもあります。

特にナンは小麦製品で乾燥した食べ物なので、仕上げにギーをかけることで食品の持つ乾燥という性質を和らげ、消化をしやすくする役目もあるのです。

そして食用だけではなく内服や外用の薬として幅広く使えるのがアーユルヴェーダの国、インド生まれのこのオイルの最大の特長で

「全ての油の中でも特に上質な脂」

とアーユルヴェーダでは言っています。

他には知性、理解力、記憶力、生命力、強壮力を高めると言われています。

様々な効能を知るにつれ、ギーを日常的に取り入れていると老化防止になるというのはうなずけます。

冷やす性質を持っているため、炎症を抑える抗炎症作用や薬草と混ぜて緩やかな下剤として、消化促進のための薬として様々な場面でアーユルヴェーダでは登場します。

ご家庭でも簡単に応用できる事をこれからどんどん紹介していこうと思います。

「身体に良いと聞いたので買ったはいいけど、どうやって使ったらいいのかわからない」

とても勿体無い話です!

食べるのも薬としても役に立つギー。最大限に活用しましょう!