アーユルヴェーダの観点から見たギーの効能を見てみましょう。
ギーに含まれる成分にはオレイン酸、リノール酸、などの不飽和の必須脂肪酸やβカロチンも含まれているので油脂類の中でも最も優れたものとアーユルヴェーダでは言っています。その他ギーは長寿、様々な病気から身体を守り、消化を促進させて消化吸収を良くさせる働きがあると考えています。
身体を造る身体構成要素に栄養を与え、記憶力を改善し、脳や神経系を強化させ、身体に柔軟性を与えます。コレステロールを増大させないので高脂血症の方にも向いているオイルと言えます。
また、ギーはアーユルヴェーダの治療でも幅広く使われています。アレルギー、皮膚や呼吸器系、消化器系の疾患などに薬草とギーを調剤した物を使います。ギーには薬草の成分を身体の組織の深部まで届ける力があると考えられているからです。
私がインドで体験したギー治療の一部をご紹介します。
消化力を整える、体内を油で満たして中の老廃物を胃や腸に集めて排出させやすくする目的で、薬草と混ぜたものを飲む治療をしました。最初は50cc程度から始まり、摂取量は日々増え、最終的に200㏄弱に。朝起きぬけに油を飲むので結構大変。ちゃんと飲み干すまで見張りが付きます。仕上げに下剤を飲んで排出したらギーの治療は終了です。この治療を受けてからは消化が規則的になり、間食を殆どしなくなりました(くれぐれも自己流では行わないようにしてください)。
アーユルヴェーダの古典書には1000通りのギーの使い方あるそうですよ!
わたし達が日常でギーを薬として使う場合には薬草を使った調剤を作る事は出来ないので、ギー単体でも十分に活用できる方法をいくつかご紹介します。(食用意外にご使用の際には自己責任でお願いいたします)
・皮膚の乾燥に・・・乾燥が気になる部分に薄く塗る(日光に当たるとシミの原因になる場合もありますので夜がお勧めです)。
・疲れ目やドライアイに・・・TVや雑誌などで目をオイルに浸すのを見た事のある方もいると思いますが、この方法は危険を伴いますので専門機関で体験される事をお勧めします。ご家庭では少量のギーを清潔な小指につけて目じりに塗るだけで充分です。疲れ目やドライアイが軽減されます。
・花粉症等アレルギー、鼻の乾燥の軽減に・・・清潔な小指にギーをつけて鼻腔に塗ります。
・不眠に・・・額の眉間の上あたりにギーを優しく塗ります。落ち着きを与えます。
・寝る前の空腹や寝つきが良くない時に・・・カップ1杯のホットミルクにギーをティースプーン1~2杯程度を垂らしたものを飲むと空腹が抑えられ、心も落ち着き眠りやすくなります。便秘の方にもおすすめです。
※牛乳アレルギーのある方はギーに微量に含まれるたんぱく質がアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。